関節の痛みが出ると、「軟骨がすり減ったから」と言われることが多いですよね。
そのため「軟骨を守るには動かさない方がいいのでは?」と思う方も多いかもしれません。
ですが、実際はその逆です。
軟骨を守るためには、「正しい動き」が欠かせません。


軟骨は“動かすことで守られる”組織

軟骨には血管がありません。
そのため、酸素や栄養は「関節液(滑液)」を通して供給されています。
この関節液がしっかり循環するには、関節を“動かす”ことが必要です。
動かすことで関節の中の圧力が変化し、ポンプのように栄養が取り込まれ、老廃物が排出されます。
つまり、適切に動かすことが「軟骨を育てる」ことにつながります。


動かすときに大切なのは“質”と“バランス”

ただし、やみくもに動かせばいいわけではありません。
関節に負担をかけるような動かし方は、かえって炎症や痛みを悪化させます。
大切なのは「関節の動きの質」と「全身のバランス」です。
特に股関節では、骨盤と脚(太もも)が連動して動くことが理想的です。
脚だけを動かそうとすると骨盤が固まり、結果的に股関節にストレスが集中してしまいます。
逆に、骨盤が自然に動くと脚の動きもスムーズになり、関節の負担が減ります。
つまり、「脚だけでなく、骨盤も一緒に動かして歩く」ことが、関節を守る動きの基本になります。


“関節を育てる”という考え方

関節は一度壊れたら終わり…ではありません。
関節を取り巻く筋肉や神経の働きを整え、滑液の循環を良くすることで、関節は「育てる」ことができます。
痛みがあるときほど、「動かすのが怖い」と感じるかもしれません。
しかし、痛みの原因が炎症ではなく“使い方の偏り”である場合、適切な動きが回復への近道になります。
動きを止めてしまうよりも、「正しい動きを学び直す」ことが、長く関節を守るための第一歩です。


まとめ:軟骨を守るカギは「動きの再教育」

軟骨を守るためには「動かさない」よりも「どう動かすか」が大切です。
日常の中で骨盤や脚、背骨の連動を意識した動きを取り戻すことが、関節を育てるセルフケアになります。
痛みのある時期は無理をせず、専門家のサポートを受けながら少しずつ動きの質を整えていきましょう。
軟骨は、あなたの動き方次第で、まだまだ守ることができます。