症例紹介
当院で実際にご相談いただいた症例の一部を、からだの巡りという視点からどう考えたかとあわせてご紹介します。症例は今後も追加していく予定です。
以下は当院での施術の一例としてご紹介するものであり、効果や経過には個人差があります。同じ症状であっても、同じ結果が得られることをお約束するものではありません。症状の診断や治療方針については医療機関にご相談ください。
呑気症(お腹の張り・ゲップが続く状態)
空気を飲み込みやすく、お腹の張りやゲップが続く、いわゆる呑気症の症状でご相談いただきました。
胃の入り口付近(噴門部・胃底部)と横隔膜は巡りの面でも深く関係しています。お腹の臓器から集まった血液が肝臓を通って心臓へ戻る「肝臓ルート」と、横隔膜のあたりを通って心臓へ戻る「中心ルート」が、ちょうど胃の上部で近くを通っているためです。この合流する場所の巡りが滞ると、横隔膜の動きや、胃の入り口付近の感覚に影響が出ることがある、と考えて評価を進めました。
肝臓ルートを中心に、ご相談いただいた症状の中心であった胃の上部と横隔膜の境目にあたる部分を丁寧に探りながら、巡りを妨げている締め付けやこわばりに働きかける施術を組み立てました。施術の直後からお腹の張りや空気の抜けにくさに変化を感じていただけ、症状は大きく改善しました。
ホルモン治療中の方に見られた、巡りの悪さ
ホルモン治療を受けておられる60代の女性で、からだの背骨ルート(頭から骨盤まで続く巡りのルート)の巡りの悪さが、ほかの部位に比べて目立っていました。
ホルモンを運ぶのも、血液の巡りの役割のひとつです。女性の生殖に関わる血管は背骨ルートが骨盤まで下りてくる合流部分のすぐそばを通っています。年齢を重ねて姿勢の変化や、長年の直立姿勢による重力の影響が積み重なると、この合流部分の巡りが滞りやすくなることがあります。
頭から骨盤までの背骨ルート全体を確認しながら、特に左側の腎臓・卵巣まわりを優先的に見ていく形で施術を行っています。現在もこの視点を軸に、施術を継続中です。
酸素療法でも改善が乏しかった、肺線維症による息切れ
肺線維症による息切れが8年ほど続いており、酸素療法を受けてもなかなか症状の改善が見られない状態でした。通院先の病院でのリハビリの際、オステオパシーを学んだ理学療法士の施術を受けたところ変化があり、それがきっかけで当院にお越しになりました。また18年前に食道がんの手術を受けられ、胃の3分の1を摘出しており、手術の影響で胸に水が溜まる症状が出た既往もお持ちでした。
長年の呼吸器症状や過去の手術の影響で、横隔膜の動きがこわばっている可能性を考えました。横隔膜はからだの中心を通るルートと背骨ルートの両方が通過する、巡りの面でも呼吸の面でも重要な場所です。この動きが乏しくなると、呼吸のしやすさだけでなく全身の巡りにも影響が及ぶことがあるため、横隔膜の動きを指標にしながら評価と施術を進めています。
からだの中心を通るルートと背骨ルートを中心に、全身の巡りを整える施術を継続しています。症状が落ち着き、安定した状態がみられるようになり、3週間に1度のペースで施術を継続中です。
人工股関節の手術後、検査では異常がないのに続く痛み
人工股関節の手術から2か月が経った頃にご相談いただきました。手術した側の脚に体重をかけると、沈み込むような感じがある。鎮痛薬を飲んでも痛みは完全には取れず、外出するときは必ず痛み止めを服用していました。整形外科の術後検診では特に異常はないと言われていたとのことです。
検査で骨や人工関節そのものに問題がないのに痛みが続く場合、痛みの背景に「神経のまわりの巡り」が関係していないかを考えます。背骨の中には頭から骨盤まで続く、弁のない静脈のネットワーク(からだの中を縦に貫く「背骨ルート」)があり、これは神経とほぼ並走するように走っています。手術にともなう麻酔や長時間同じ姿勢をとったこと、組織の腫れなどの影響で、この巡りが一時的に滞ると、神経のまわりの環境が変化し、検査では分からないタイプの痛みとして感じられることがある、という仮説のもとで評価を進めました。
背骨ルートの巡りを中心に、全身の巡りを整える施術を行いました。5回目の施術の頃には、ごくわずかな痛みを残すところまで変化がありました。
お薬だけでは満足できなかった、パーキンソン病による震えとこわばり
3年前にパーキンソン病と診断され、お薬で症状をコントロールされている60代後半の女性からのご相談です。右手の震えや動作のぎこちなさに加え、体幹や首まわりのこわばり、後頭部から首筋にかけての重だるい痛み、夜の眠りの浅さが続いていました。特にお薬の効果が切れてくる時間帯に、動きづらさが強く出ることを気にされていました。
パーキンソン病というと、脳の一部の働きが失われていく病気として捉えられがちですが、当院では震えやこわばりの背景に、背骨に沿って戻るルートの巡りの滞りがあるのではないかと考えました。このルートは骨盤から首の付け根、後頭部までひとつながりになっており、逆流を防ぐ仕組みが途中にないため、どこか一か所が詰まると、その影響がそのまま背骨を伝って脳に近い部分の巡りにまで及んでしまう特徴があります。評価では骨盤の奥や鎖骨まわり、後頭部の付け根に、重くこわばった巡りの悪さが見つかりました。
骨盤の奥、鎖骨まわり、後頭部の付け根と、背骨に沿って戻るルートを下から上へ順にたどりながら、巡りの滞りをゆっくりとほどいていく施術を行いました。初回の施術直後から「後頭部の重い蓋が取れたように頭がすっきりした」というお言葉があり、体幹や首のこわばりも和らいで、呼吸が深くなる様子が見られました。4〜6回目の施術を終える頃には右手の震えの頻度や大きさが明らかに減り、歩き出しの一歩目がスムーズになって歩幅も広がり、「夕方、お薬の効果が切れる時間帯のだるさやこわばりが和らいだ」というご報告をいただいています。
来院時の立位姿勢の確認の様子
太ももの張りと息切れが続いていた、歩きづらさ
80代の女性からのご相談です。歩くときに太ももの前側が強く張って疲れやすく、平らな場所でもつまずきやすい、歩く速さが遅くなった、少し歩くだけで息が上がる、といった症状が続いていました。
心臓は血液を送り出すだけでなく、全身から戻ってくる血液を受け取ることで、十分な働きができます。足から心臓へ戻るからだの中心を通るルートの巡りが滞ると、心臓に戻る血液が減り、心臓の働きもそれに応じて落ちてしまうという悪循環が起こりやすくなります。太ももの前側はこのルートの重要な通り道にあたり、ここの巡りが滞ると、重くドロドロとした巡りの悪さが生まれます。太ももの前の筋肉は骨盤から膝の下まで伸びているため、この部分が重くこわばると、歩くときに脚を前に振り出す動きにブレーキがかかったようになり、つまずきやすさにつながると考えました。加齢により呼吸にともなう横隔膜の動きが小さくなると、足からの巡りを引き上げる力も弱くなってしまいます。
太ももの筋力を鍛えるのではなく、鎖骨まわりや横隔膜まわりの巡りの出口を開き、太もも前の巡りの滞りを丁寧にほどきながら、股関節や骨盤まわりの巡りの通り道を整える施術を行いました。初回の施術直後から「太ももの前の突っ張りが消えて脚が軽くなった」という変化があり、立っているときの安定感も増しました。
施術前後の首元の変化
まずは、からだの話を聞かせてください。
初めての方には70分前後かけてじっくりと評価からお伝えします。当日のご予約も承っています。
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