「雨が降る前になると頭が痛くなる」
「台風が近づくと頭が重い」
このような経験をしたことがある人は多いのではないでしょうか。
最近ではこのような症状は
天気痛
気象病
などと呼ばれることもあります。
しかし、なぜ天気の変化が頭痛と関係するのかは、まだ完全には解明されていません。
ここでは身体の循環や圧力環境という視点から、この現象を考えてみたいと思います。
低気圧とはどんな状態か
低気圧とは大気の圧力が周囲より低い状態を指します。
通常の気圧は
約1013hPa
ですが、低気圧が接近するとこれが少しずつ下がります。
例えば
1013hPa
↓
995hPa
といった変化が起こることがあります。
数値だけを見ると小さな変化に思えるかもしれませんが、身体は常に大気圧の影響を受けています。
そのため、このような変化が身体の感覚に影響する可能性があります。
外からの圧力が弱くなる
低気圧のときに起こる最も大きな変化は
身体を外から押している圧力が弱くなる
という点です。
普段、身体には大気圧という圧力が均等にかかっています。
この圧力が少し弱くなると、身体内部の圧力バランスも微妙に変化する可能性があります。
頭の中の循環
頭部には非常に多くの血管が存在します。
脳の血流は厳密に調節されていますが、頭部の静脈は比較的低い圧力で血液を戻しています。
静脈の流れは
・呼吸
・姿勢
・筋肉の動き
・体内の圧力
などに影響を受けます。
そのため身体の圧力環境が変化すると、頭部の循環環境にも変化が生じる可能性があります。
静脈の流れと頭の重さ
静脈の役割は、組織を巡った血液を心臓へ戻すことです。
しかし静脈の流れは動脈ほど強い圧力では動いていません。
そのため
- 呼吸
- 筋肉
- 体内圧
といった仕組みによって支えられています。
もし静脈の流れが弱くなると、頭部で血液がやや滞りやすくなる可能性があります。
このような状態は
- 頭の重さ
- 圧迫感
- 鈍い頭痛
として感じられることがあります。
呼吸と頭部循環
ここで重要になるのが呼吸です。
呼吸では横隔膜が上下し、胸腔と腹腔の圧力が変化します。
この圧力変化によって
- 空気が肺に入る
- 静脈血が心臓へ戻る
という二つの働きが生まれます。
つまり呼吸は、血液を心臓へ戻すポンプとしても働いています。
横隔膜の働き
横隔膜が下がると腹腔の圧力が高まり、腹部の静脈が押されます。
同時に胸腔の圧力が下がるため、血液は心臓へ戻りやすくなります。
この仕組みは呼吸ポンプと呼ばれています。
この呼吸ポンプは、頭部の静脈循環にも影響を与えています。
体調と身体の状態
同じ低気圧でも、体調に影響を感じる人と感じない人がいます。
その違いにはさまざまな要因があります。
例えば
- 自律神経
- 睡眠
- ストレス
- 身体の緊張
- 呼吸の状態
などです。
身体の柔軟性が低下していると、呼吸による圧力変化が小さくなり、循環環境に影響が出る可能性があります。
身体ケアという視点
当院では体調を考える際に
呼吸と循環
という視点を大切にしています。
施術では
- 胸郭
- 横隔膜
- 腹部
- 骨盤
などの動きを観察し、身体全体のバランスを整えていきます。
身体の構造が整うことで呼吸が深くなり、循環環境が変化することがあります。
気圧と身体は無関係ではない
天気と体調の関係は、まだ研究途中の分野でもあります。
ただし身体は
- 空気
- 圧力
- 呼吸
- 循環
といった環境の中で働いています。
そのため気圧の変化が身体の感覚に影響することは、不思議なことではありません。
身体の状態を整えることは、こうした環境の変化に対応しやすい身体づくりにつながる可能性があります。