しっかり呼吸をしているつもりなのに体の重だるさが抜けない、肺のあたりが詰まっているような感覚があり空気は入っているのにどこかすっきりしない。

自己免疫疾患や膠原病、パーキンソン病など炎症や慢性的な不調を抱える方の中には体全体が重たいまま動かないような感覚を持っている方も少なくありません。

このとき私たちは呼吸が浅いからだと考えがちですが、実際には単に空気の出し入れの問題ではないことも多いのです。

横隔膜は「空気」ではなく「流れ」を動かしている

横隔膜というと一般的には呼吸のための筋肉として知られていますが実際にはそれだけではありません。横隔膜が動くことで生まれるのは空気の出入りだけではなく体の中に生じる圧の変化です。

この圧の変化が水分や血液、組織の間の流れを動かす原動力になります。言い換えると横隔膜は体の中に吸い上げる力を生み出している存在です。

「吸い上げる力」が体の中を整えている

体の中では常に水分や老廃物が動いていますがそれらは自然に流れているように見えて実際には動かす力があって初めて移動しています。横隔膜がしっかり動くことで体内には上下の圧の差が生まれ下に溜まりやすい流れが上へと引き上げられていきます。

この働きによって古い水分が停滞しにくくなり組織のまわりの環境が保たれ神経や内臓の働きも安定しやすくなります。つまり横隔膜は体の中を掃除するための流れを作り出しているとも言えます。

動きが失われると「流れ」が止まる

一方で横隔膜の動きが小さくなるとこの吸い上げる力は弱まっていきます。すると本来であれば流れていくはずのものがその場にとどまりやすくなり体内の水分の動きは滑らかさを失い少しずつ粘りのある状態へと変わっていきます。

このような状態では体の重だるさや抜けない疲労感、慢性的な炎症やこわばりといった形で不調が現れてきます。これは単に筋肉が硬いというよりも流れそのものが動いていない状態とも言えます。

施術で見ているのは「動きの質」

横隔膜に対して何かをするというと強くほぐすことをイメージされるかもしれませんが実際には大切なのは動きの質です。

横隔膜は本来体の中で滑らかに広がり戻る動きを持っています。その動きが引き出されることで自然と圧の変化が生まれ結果として体内の流れも動き始めます。それは何かを無理に押し流すというよりももともと備わっている機能が戻ってくるような変化です。

「整える」ことで体は本来の働きを取り戻す

炎症や慢性的な不調に対しては薬によるコントロールがとても重要です。その上で体の中の流れが整ってくると薬が届きやすい環境が整い全体のバランスも変わっていきます。

当院が行っているのは体の中の流れの土台を整えることです。横隔膜が本来の動きを取り戻すことで体は自分自身でバランスを取りやすくなっていきます。

体には「自ら整う力」がある

体は本来流れ続けることを前提にできています。

横隔膜もまたその流れを支える重要な役割を担っています。もし今呼吸をしてもすっきりしない、体の重さが抜けないと感じているとしたらそれは単なる呼吸の問題ではなく流れを動かす力が少し弱くなっているサインかもしれません。その力が戻ってくるとき体は自然と軽さを取り戻していきます。