1. なぜ改善しない不調があるのか?
慢性的な腰痛や肩こり、疲労感、めまい、不眠、冷え、情緒の不安定さなど。
こうした不調は、局所的な筋肉や関節の問題だけでなく、身体全体を統合する中枢の働きが関与している場合があります。
その中心が「脳幹」です。
当院では、施術を通して脳幹機能の活性化=自然治癒力の再起動を目指しています。
2. 脳幹とは:生命活動を統括する“司令塔”
脳幹は、中脳・橋・延髄から構成され、以下のような重要な機能を担っています。
- 呼吸・心拍・体温調節といった生命維持機能
- 筋肉や関節の情報を処理する深部感覚系(視床・小脳への伝達)
- 自律神経の統合中枢として、交感神経と副交感神経のバランスを制御
- 前庭神経核による姿勢・平衡感覚の調整
- 迷走神経などを通じた内臓機能や免疫の調整
つまり、脳幹は「体が自力で治ろうとするシステム=自然治癒力」をコントロールする極めて重要な中枢です。
3. 脳幹機能が低下するとどうなるか
脳幹の情報処理能力や出力系統が乱れると、以下のような全身的な不調が起こりやすくなります。
- 姿勢の崩れ、ふらつき、転倒リスクの増加
- 呼吸の浅さ、睡眠の質の低下
- 内臓機能の調整力の低下(便秘・冷え・食欲不振など)
- 筋緊張の不均衡(慢性痛や可動域制限)
- 慢性炎症や痛みの“過覚醒状態”が続く
これは「脳幹による制御機構の誤作動」によって、自然治癒力の出力がブロックされた状態といえます。
4. 当院の施術アプローチ:脳幹に“再起動”を促す
当院では、脳幹の特定の神経核や感覚入力経路に対して、以下のような手法でアプローチしています。
● 深部感覚の再教育
筋肉・関節からの感覚情報を正しく入力し直すことで、脳幹の出力調整機能(姿勢や運動の指令)を回復させます。
● 前庭系刺激(バランス系)
耳の奥にある前庭器官や頸部への刺激により、姿勢・眼球運動・自律神経機能を統合する脳幹神経核を活性化します。
● 迷走神経刺激(副交感神経系)
頸部や胸郭へのアプローチで、迷走神経の流れを整え、内臓の活性・免疫機能・リラックス反応を促進します。
● 呼吸筋(横隔膜)の調整
呼吸の“質”を改善することで、脳幹と密接に関わる呼吸中枢の安定化と、副交感神経優位の状態を支援します。
これらにより、中枢神経系の統合性を回復させ、自然治癒力を発揮しやすい身体の土台を整えることができます。
5. 科学的な裏付けも
近年、**ニューロモデュレーション(神経調節)**という考え方が注目されています。
これは、特定の神経系に対して物理的・感覚的な刺激を与え、中枢の働きを変化させるという理論です。
前庭神経刺激・迷走神経刺激・深部感覚入力など、当院の施術方針はこの理論にも通じています。
6. 最後に:脳幹は“身体の土壌”
痛みや不調に対処するには、“症状がある部位”だけでなく、
**体を育て直す土壌(=脳幹と自然治癒力)**を耕すことが欠かせません。
当院では、単なる対症療法にとどまらず、
「自然治癒力が発揮できる状態を取り戻す」ことこそが、本当の根本改善だと考えています。